「トルコで最も美しい街」・サフランボル
Safranbolu/トルコトルコ中北部の標高600mの山間部にひっそりと佇むサフランボル旧市街は、かつてシルクロードの時代には、黒海から地中海方面を結ぶ交易の中継地として繁栄してきた。街はこの地に群生したサフラン(クロッカス)の咲く場所を意味する「サフランボル」と呼ばれてきたのである
サフランは、アヤメ科サフラン属の球根植物で、赤紫色の花弁をもち、
強く芳しい香りを放す3本に別れた雌しべの柱頭は、乾燥して地中海料理の色付けと香りに、或
いは薬用や染料にも使われる。乾燥したサフラン100gを作るのに、15,000本とも、20,000本とも数えられるサフランの花が必要とか・
「チャルシ」と呼ばれる旧市街は決して広くはなく歩いて回れる区域で、公衆トルコ風呂であるハマムを中心に、横に広がる斜面には、中世以来の特徴的な建築様式で造られた穏やかな外観の家々が建
ち並ぶ。倉庫などに使われている1階部分は切石積み構造で、住居階は2階以上にあり、多くは柱や梁が壁面から露出する「木骨造り」で、1階よりかなり外側へ張り出す独特な構造となっている。
サフランボル旧市街の殆どの通りは石畳の路地が中心で、その両脇には昔ながらの職人作業の店が建ち並び、織物や刺繍などが手作業で作られ、小物の金属加工も行われいる。乾燥した薬草や豆類を扱う店や情緒あるカフェテリア、パン焼き屋、そして有名なこの地方独特な甘いデザート菓子を扱う店などもある。
路地の多くは葉枝を広げたブドー棚で覆われ、真夏でも涼しい日陰をつくっている。
そこにはゆったりとした一昔前の時間が流れ、穏やかな人々の生活が営まれている。UNESCOはこの特徴ある伝統的な建築様式と生活文化を含め、人々に「トルコで最も美しい街」と呼ばれるサフランボルの旧市街地域を世界遺産に登録している
街の家々の構造に木材が多用されているためか、東洋からの来訪者にとっては、日本の木造建築に似た家々がかもし出す何か不思議と心落ち着く雰囲気に、静かな喜びと感動を覚えてしまう。夏の高原地帯に吹く乾いた風と眩しい陽光、そして真っ青な空にモスクの尖塔が伸び、豊かな緑の中で、古風な民家が光輝くサフランボル旧市街の光景は余りにも美しい
古くシルクロードの時代から、トルコは絨毯織りやキリムの生産が伝統産業となってきた。土産物屋の店先に飾られた織りバックも、この絨毯織りの伝統的な技法の応用なのであろうか。絵柄はカラフルで単純な家々のデザインであるが、不思議と心なごむモチーフに微笑んでしまう。
絨毯織りはトルコの伝統的な芸術作品と言える。産地により、色や絵柄に独特な様式があり、3000年以上の歴史をもつ落ち着いた色調の「カイセリ織り」を初め、使用する材料に100%シルクを使い、年単位で完成される繊細な花柄模様に特徴される絨毯折の最高峰・「ヘレケ織り」、材料にウー
ル100%を使う幾何学模様をメインモチーフとしている「コンヤ織り」や「ベルガマ織り」などが有名である。
また絨毯織りより遥かに古い歴史をもつと言われる「キリム」は、材料にウールを使った平織りのカーペットである。有名な産地の多くはトルコ中央部から東部にかけての地域で、「ワン」や「コンヤ」が知られている。